始めはニュージーランドから
1999年5月、定年退職を目前にして、随分余った年次休暇を使って妻と一緒に海外旅行に行くことにした。 現役時代から、定年後には海外旅行をしたいなとの思いを持っていたが、ようやくそれが現実になった。 旅行先は先ずは現役でもあるので安全策をとって「ニュージーランド」とし、友人の勧めもあって、多分一生に一度のことなので奮発して、「ビジネスクラス」で行くことにした。 ニュージーランド航空で成田から、「クライストチャーチ」へ直行。 クライストチャーチは南半球にあり、南緯44度あたりで、5月は秋で北海道の秋と感じが似た爽やかな気候だった。 到着すると、たちまち羊の歓迎を受け、ニュージーランドで来たことを実感した。 クライストチャーチを代表する「大聖堂(クライストチャーチ)」の塔に登ると、きれいな町並みや路面電車(トラム)を一望できた。 トラムに乗って町を周ると美しい建物があり、子供たちが芝生たっぷりの公園でラグビーなどをして楽しそうに遊んでいる。 紅葉したエイボン川の畔を散策すると、物語の中に入り込んだような気になった。 ツアーのプログラムで一般家庭を訪問した。 クライストチャーチは「花の町」と呼ばれており、ガーデニングを趣味にする人が多く、庭自慢のコンペがあるそうだ。 クライストチャーチから「トランスアルパイン鉄道」で山岳地帯にある「アーサーズパス国立公園」へツアーに出かけた。 列車が山や川や渓谷の美しい景色が続く中を登って行くと、山頂付近は石がごろごろしており、火山列島らしさが感じられた。 旅行に出かける前からで楽しみにしていた「ジェットボート」に乗った。 眼鏡が吹っ飛ぶといけないので、ポケットに入れておいたところ、ジェットボートの急旋回や急ブレーキでぐにゃぐにゃになっていた。 その後、名物の羊の毛刈りを見るのかなと思っていたら、「兎の毛刈り」を見ることになった。 ニュージーランドの国鳥キーウィを見たりして、南島クライストチャーチの観光を終わった。 クライストチャーチから北島の「オークランド」へ国内航空で移動。 こちらの方が赤道に近いので、温かく、湿度も高い。 ヨットハーバーには、沢山のヨットが係留されていた。 ちょうど「アメリカズカップ」が開かれるというので、前夜祭が開かれており、オークランドの町は活気に溢れていた。 記念に「アメリカズカップ・ヨットパーカー」を買って大満足だった。 オークランドの町や、ワイトモの洞窟で「光る土ボタル」を見たりして、北島での観光を楽しんだ。 旅も終わりに近づき、ニュージーランド名物「羊の毛刈り」を見てこれで満足。 スケジュールを無事にこなして、羊の国からニュージーランド航空の「ビジネス」に乗って日本に帰った。 初めての夫婦同伴旅行を喧嘩もせずに無事に乗り切り、定年後の海外旅行が楽しみになって来た。 (おしまい)
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(1999年5月)